Notionで採用管理(ATS)を作る方法|候補者フォローと選考リマインドを自動化する

候補者からの返信が途絶えて、気づいたら他社に決まっていた——採用をNotionで回していると、選考ステータスは動いているのに「候補者への連絡」だけが手作業に取り残されがちです。
この記事は、専用のATS(採用管理システム)を入れずにNotionで応募者・選考ステータス・面接日程を管理している採用担当者に向けて、(1)Notionで採用管理DBをどう設計するか、(2)なぜ候補者フォローが漏れるのか、(3)書類選考・面接・内定など各段階のフォローや日程リマインドを、Notionを持たない候補者へメールで自動送信する運用までを、実装済み機能の範囲で整理します。読み終える頃には、選考の各段階で「連絡が遅れて候補者が離脱する」構造をどう塞ぐかの見取り図が持てます。
この記事の要点(TL;DR)
- NotionはリレーションやステータスをカスタムできるためATS代わりに十分使える。まず候補者DB+選考ステータス+面接日程の3点を設計する。
- フォローが漏れる主因は「Notionの通知が候補者(=Notionアカウントを持たない社外の相手)に届かない」こと。ステータスは進んでも連絡は人力で残る。
- 各段階のリマインドは、Notionのステータスや期日を監視して候補者へメールを自動送信し、候補者のワンクリックでNotionに書き戻す運用で自動化できる(この外向き通知の一例が個人開発ツールKapsel)。
- 見送り・内定辞退・選考終了など**「もう送ってはいけない相手」には送らない**設計が、採用では特に重要。
まず結論:NotionはATSとして使えるが、「候補者への連絡」だけ別の仕組みがいる
Notionは、応募者一覧・選考ステータス・面接日程・評価コメントを1つのデータベースで管理でき、専用ATSを導入しなくても採用フローを回せます。ただし、採用管理で本当に事故が起きるのは「社内の管理」ではなく「社外の候補者への連絡」です。
- 社内の管理(誰が今どの選考段階か)→ Notionで完結する。
- 候補者への連絡(日程調整・合否・次のステップの案内)→ 候補者はNotionを開かないので、Notion内の通知やメンションでは届かない。
つまりNotionでの採用管理は、**「管理DB」+「候補者への外向き連絡の仕組み」**の二層で考えるのが実務的です。以下、DB設計から順に見ていきます。
Notionで採用管理(ATS)データベースを作る:設計例
最小構成は「候補者データベース1つ」です。求人が複数あるなら「求人DB」とリレーションで結ぶと、求人ごとの選考状況が一覧できます。
候補者データベースのプロパティ例
| プロパティ | 型 | 用途 |
|---|---|---|
| 氏名 | タイトル | 候補者名 |
| メールアドレス | メール | 候補者への連絡先(後述の自動送信で使う) |
| 応募求人 | リレーション | 求人DBと紐付け |
| 選考ステータス | ステータス | 選考段階(下記) |
| 次のアクション期日 | 日付 | 「いつまでに連絡するか」 |
| 面接日時 | 日付 | 面接のリマインド基準 |
| 担当者 | 人物 | 社内の選考担当 |
| 応募日 | 日付 | 流入時期の把握 |
| メモ / 評価 | テキスト | 面接コメント |
ポイントは、候補者のメールアドレスをプロパティとして持つことと、「次のアクション期日」を必ず入れることです。この2つが、後の自動フォローの起点になります。
選考ステータスの持ち方
ステータスは「進行中/完了」のグループに分けられるので、選考段階をそのまま並べます。例えば以下のような並びです。
- 未対応 → 書類選考中 → 一次面接調整中 → 一次面接済 → 二次面接調整中 → 二次面接済 → 内定通知中 → 内定承諾 / 見送り / 辞退(=完了グループ)
「内定承諾・見送り・辞退」を完了グループに置いておくことが後で効いてきます。ここに入った候補者には、フォローメールを送ってはいけないからです(詳細は後述)。
Notionでのデータベース設計そのものを詳しく知りたい場合はNotionデータベースの作り方、期日プロパティでの通知設定はNotionで期日を通知する方法で扱っています。
なぜ候補者フォローが漏れるのか
DBを綺麗に作っても、フォローは漏れます。理由は機能の構造にあります。
理由1:Notionの通知は「候補者」に届かない
Notionの通知・メンション・期日リマインダーは、Notionアカウントを持つ本人や社内メンバーが対象です。候補者は基本的にNotionを使わない社外の相手なので、「一次面接の日程を送る」「合否を伝える」といった連絡は、Notionの中では完結しません。結局、担当者が手作業でメールを書くことになります。
社外の相手にNotionの情報を届ける方法そのものはNotionを使わない相手にリマインドを届ける方法で詳しく整理しています。
理由2:ステータスは進むのに、連絡はタスク化されない
選考は「相手の返信待ち」が多く、待っている間にステータスは止まります。次にやるべき連絡(催促・日程の再提示・合否連絡)は担当者の記憶に依存し、他の候補者対応に紛れて後回しになりがちです。採用は候補者体験がそのまま歩留まりに直結するため、この「1〜2日の連絡遅れ」が辞退の引き金になります。
理由3:候補者が増えるほど手作業が破綻する
候補者が数人なら手動で回せますが、複数求人・複数候補者が並行すると、「誰にいつ何を連絡したか」の管理が破綻します。ここを人力で支えているのが、多くの採用現場の実態です。
各段階のフォロー・日程リマインドをメールで自動化する方法
ここが本題です。Notionの選考ステータスや期日を監視して、候補者本人(=Notion非利用の社外の相手)へメールを自動送信すると、選考の各段階のフォローを人力から外せます。この外向きの通知レイヤーを担う個人開発ツールの一例がKapselです。
仕組みを図にすると次のようになります。選考が進むたびに候補者へメールが飛び、完了グループに入ったら止まる、という流れです。
具体的には、次のような自動フォローが組めます。
- 書類選考の受付・結果連絡:応募直後に受付メール、書類選考のステータスが動いたら結果連絡を候補者へ自動送信。
- 面接日程のリマインド:「面接日時」プロパティを基準に、面接の前日などに候補者へ確認メールを送る。日程の無断欠席(ノーショー)対策になります。
- 選考ステータス滞留の督促:「次のアクション期日」を過ぎても返信がない候補者に、期限超過の督促を自動で送る。
- ワンクリックで書き戻し:候補者がメール内のボタンを押すと、その結果がNotionのステータスに反映される(双方向)。担当者がNotionを開いて手で更新する手間が減ります。
送信先の絞り込み(特定の求人・特定のステータスだけに送る)や、氏名・面接日時などを差し込む変数、送信記録の確認も使えます。社外の相手を追いかける運用の実務感は、請求まわりの例ですがフリーランスの入金・支払いを催促する方法でも共通の考え方を扱っています。
「もう送ってはいけない相手」には送らない
採用で自動送信を導入するとき、いちばん怖いのは見送りにした候補者や、内定を承諾済みの人に、まだ選考中のような催促メールが飛ぶことです。候補者体験を損ない、企業の評判にも関わります。
そのため、ステータスの完了グループ(内定承諾・見送り・辞退)に入った候補者には送らない設計にしておきます。前述のように選考ステータスを「進行中/完了」で分けておけば、完了に移した瞬間にその候補者は自動フォローの対象から外れます。「連絡すべき相手にだけ届き、決着した相手には送らない」——この線引きが、採用での自動化を安心して回すための前提です。
始め方
- Notionに候補者DBを作る(プロパティ:氏名・メールアドレス・選考ステータス・面接日時・次のアクション期日)。
- 選考ステータスを「進行中」と「完了(内定承諾・見送り・辞退)」のグループに分ける。
- Notionを監視して社外へメールを送る仕組み(例:Kapsel)を接続し、送る条件(対象ステータス・期日)と、送らない条件(完了グループ)を決める。
- 面接日程・督促・結果連絡など、段階ごとの文面を差し込み変数で用意する。
料金は Free(¥0)・Standard(¥1,980)・Pro(¥4,980)(いずれも税込)。まず無料で試してから運用に乗せられます。採用以外の使い方(進行管理・請求・予約など)は製品ページのユースケース、プランの違いは料金ページを参照してください。
よくある質問(FAQ)
Q. NotionだけでATSの代わりになりますか?
候補者の一覧・選考ステータス・面接日程・評価の管理は、Notionのデータベースで十分に回せます。専用ATSにある「候補者への自動連絡」の部分だけは標準では届かないため、社外へメールを送る仕組みを別に足すのが実務的です。
Q. 候補者はNotionアカウントを持っていなくても連絡を受け取れますか?
はい。ここで紹介した外向き通知はメールで届き、Notionアカウントもログインも不要です。候補者はメール内のボタンから返信でき、その結果がNotionのステータスに書き戻ります。
Q. 面接日程のリマインドは自動で送れますか?
「面接日時」を日付プロパティで持っておけば、その日時を基準に候補者へ確認メールを自動送信できます。日程プロパティでの通知の考え方はNotionで期日を通知する方法も参考にしてください。
Q. 見送りにした候補者に間違って催促が飛びませんか?
選考ステータスを「進行中/完了」で分け、完了グループ(見送り・辞退・内定承諾)を送信対象から外す設計にしておけば、決着した候補者にはフォローメールは送られません。
Q. 無料で始められますか?
Freeプラン(¥0)から始められます。まず無料の範囲で送信を試し、候補者数や求人が増えてきたら上位プランに切り替える運用ができます。
採用の管理はNotionで、候補者への連絡だけが手作業で残っている——そんな状態なら、選考の各段階のフォローをメールで自動化するところから始められます。Kapselは個人開発のツールで、無料プランから試せます(getkapsel.com)。


