Notionで請求書テンプレートを作る方法(列設計から作った後の入金督促まで)

「請求書はExcelで作って、案件管理はNotion」——この二重管理をやめて、Notionに寄せたいと考えている個人開発者・フリーランス・小規模事業者は少なくありません。検索して出てくる記事の多くは、完成済みのテンプレートを配布してそこで終わります。この記事はそこから一歩踏み込み、実際に運用できる請求書DBの列をどう設計するか、Notionで請求書を作るときの正直な限界、そして多くの記事が触れない**「作った後」——入金確認と督促まで**を、事実ベースで扱います。
この記事の要点(TL;DR)
- Notionで請求書を管理するなら「配布テンプレを貼る」よりも、案件データと地続きの請求書データベース(DB)を自分で設計する方が実務で効きます。鍵はプロパティ(列)の設計です。
- 実際に使う列は、請求書番号・取引先・金額(小計)・消費税・税込金額・支払期限・入金ステータス・宛先メールなど。適格請求書(インボイス制度)で必要な登録番号や税率区分も、プロパティとして持たせておくと後で困りません。
- Notionは請求管理の「台帳」としては優秀ですが、整形されたPDF帳票の体裁づくりは単体だと弱く、社外への条件付き自動メールも送れません。作った後の運用でここが効いてきます。
- Kapselとは、Notionの期日・担当・ステータスを監視し、Notionを使わない取引先にもメールで自動リマインド/督促を送り、受信者のワンクリックでNotionのステータスに書き戻すツールです。入金済み・完了には送りません。
読み終えれば、案件と地続きの請求書DBを自分で設計でき、テンプレを複製しただけでは残る「送ったあと、入金されたか・催促すべきか」の運用まで見通せるようになります。すでにNotionでデータベースの基本を扱ったことがある方を想定しています(DBそのものの作り方はNotionデータベースの作り方を参照してください)。
Notionで請求書を管理するメリットと、正直な限界
まず「そもそもNotionで請求書を作るべきか」を、良い点と限界の両面から短く整理します。ここを踏まえておくと、後述の列設計と運用設計の意味がつかみやすくなります。
メリットは、乗り換え不要で案件と地続きに管理できることです。すでに案件・タスク・取引先をNotionで持っているなら、請求もそこにDBを1つ足すだけで済みます。案件DBと請求DBをリレーションでつなげば、「この案件の請求はどれか」「未入金はどの取引先か」を一元で追え、別サービスへ情報を写す手間がありません。テンプレートの複製で毎回同じ項目の請求ページを起こせるのも利点です。
一方で、正直な限界もあります。 最大のものは、整形されたPDF帳票の体裁づくりが単体だと弱いことです。Notionはページを「PDFでエクスポート」できますが、これはあくまでページの見た目をそのまま書き出すもので、会計ソフトが出すような罫線の入った定型フォーマットの帳票にはなりません。レイアウトの自由度も限定的です。取引先が「所定の様式の請求書」を求める場合は、体裁づくりは別ツールに任せ、Notionは管理の台帳として使う、という割り切りが現実的です。
💡 ポイント:Notionの得意は「請求の状態を構造化して一覧・集計する台帳」であって、「印刷用の整った帳票を出す清書ツール」ではありません。この役割分担を最初に決めておくと、後で「思っていた体裁にならない」と悩まずに済みます。
請求書テンプレート(DB)に持たせる列(プロパティ)の設計
ここが本題です。配布テンプレをそのまま使うのではなく、自分の請求実務に必要な列を理解して設計すると、後の集計・絞り込み・督促まで一気に楽になります。下表は、個人・小規模の請求管理で実用的なプロパティの一例です。
| プロパティ名 | 型 | 用途・メモ |
|---|---|---|
| 請求書番号 | テキスト/ユニークID | 一意の採番。ユニークIDなら自動連番も可 |
| 取引先 | リレーション(顧客DB)/テキスト | 案件・顧客DBとつなぐと集計が効く |
| 担当者 | テキスト | 先方の宛名に使う |
| 件名 | テキスト | 何の請求かを一言で |
| 金額(小計) | 数値 | 税抜の合計 |
| 消費税 | 数値/フォーミュラ | 税率ごとに区分できると望ましい |
| 税込金額 | フォーミュラ | 小計+消費税を自動計算 |
| 発行日 | 日付 | 請求書の発行年月日 |
| 支払期限 | 日付 | 督促・リマインドのタイミング判定に使う |
| 入金ステータス | ステータス/選択 | 未入金・入金済み・確認中 など |
| 宛先メールアドレス | メール | 社外へメールを届ける宛先 |
| 振込先 | テキスト | 本文に再掲する口座情報 |
| 登録番号 | テキスト | 適格請求書の発行事業者登録番号 |
| 備考 | テキスト | 補足・支払条件など |
このうち、支払期限・入金ステータス・宛先メールの3つは、後述の督促自動化の土台になります。「支払期限を過ぎて、入金ステータスが未入金の行」を条件で拾えるようにしておくと、作った後の運用がそのまま自動化に乗ります。
適格請求書(インボイス制度)の記載事項もプロパティで持たせておく
適格請求書には、発行事業者の登録番号、税率ごとに区分した対価の額、税率ごとの消費税額といった記載事項が求められます。Notionで請求を管理するなら、これらを最初からプロパティ(登録番号・税率区分・税額など)として持たせておくと、後から「様式を満たしていなかった」とデータを作り直す手間を避けられます。10%と軽減8%が混在する場合は、税率ごとに小計・税額を分けて持てるよう列を用意しておくと安心です。
⚠️ 注意:適格請求書の記載事項は制度の一般的な情報として整理したもので、税務上の助言ではありません。自分の事業でどの項目が必要か・どう区分するかは、国税庁の案内や税理士など専門家の情報で確認してください(出典は末尾の補足に記載)。
Notionで請求書テンプレートを作る手順
列の方針が決まったら、実際にDBを作ってテンプレート化します。各ステップは独立しているので、必要なところから読めます。DBの基本操作はNotionデータベースの作り方、テンプレ機能全般はNotionテンプレートの使い方もあわせてどうぞ。
1. 請求書データベースを作る
フルページのデータベースを1つ作り、「請求書」と名付けます。案件・顧客をすでにNotionで管理しているなら、同じワークスペース内に置き、後でリレーションでつなげられるようにしておきます。
2. プロパティを設定する
前掲の表を参考に、請求書番号・取引先・金額(小計)・消費税・税込金額・発行日・支払期限・入金ステータス・宛先メールなどを追加します。**入金ステータスは「未入金/確認中/入金済み」**のように、送る・送らないの判定に使える選択肢で作っておくのがコツです。
3. フォーミュラで税込金額を自動計算する
税込金額はフォーミュラで自動計算にすると入力ミスが減ります。単一税率であれば、小計 * 1.1 のように書くと税込額が求まります。複数税率が混在する場合は、税率ごとに小計を分けて計算する形になるため、* 1.1 の一発では収まらない点に注意してください(自分の税区分に合わせて式を組みます)。
4. ビューを整える
「未入金だけ」「今月発行分」など、よく使う切り口でフィルタしたビューを用意しておくと、日々の確認が速くなります。入金ステータスでボード表示にすると、未入金→確認中→入金済みの流れが一目で追えます。
5. テンプレート化して毎回複製する
新規の請求ページを起こすたびに項目を作り直すのは手間です。DBの「新規」からテンプレートを登録しておくと、次回以降はワンクリックで同じ項目・初期値の入った請求ページを複製できます。よく使う備考や振込先を入れておくと、さらに速くなります。
「作ったあと」——請求書の入金を管理・督促する
テンプレートを作って請求書を発行したら、実務はそこで終わりません。送ったあと、入金されたか・まだなら催促すべきかという後工程が残ります。配布テンプレ記事の多くはここに触れませんが、実際に時間を食うのはむしろこちらです。
ここで前提をひとつ。Notion単体には、社外の取引先へ条件付きで自動メールを送る機能はありません。 Notionの標準リマインダーは「Notionを開く本人」への通知が中心で、Notionを使わない取引先には届きません。つまり「未入金の相手にだけ督促メールを送る」は、Notionだけでは自動化できないのです。
このNotionだけでは埋まらない部分を担うのが、Notionを監視して外部にメールを送る連携ツールです。Kapselとは、いま作った請求書DBの支払期限と入金ステータスを監視し、期日を過ぎて未入金の行だけに、宛先メールプロパティ宛てで自動リマインド/督促を送るツールです。取引先はNotionアカウントもログインも不要で、メールを開くだけで確認できます。さらに受信者がメール内のボタンをワンクリックすると、その結果がNotionのステータスに書き戻るため、送り手はNotionを見るだけで対応状況を追えます。作った後の入金リマインドの設計は請求書の入金リマインドを自動化する方法に、送る文面の型は入金催促メールの例文集にまとめています。
💡 ポイント:請求書DBを作るときに「支払期限(日付)」「入金ステータス(選択)」「宛先メール(メール)」の3プロパティを入れておくと、それがそのまま督促自動化の入力になります。テンプレ設計と督促設計は別物ではなく、地続きです。
入金済み・完了には送らない、事故を防ぐ設計
督促で最も避けたいのは、すでに入金した相手に催促を送ってしまう事故です。一度の誤送信で信頼を損ないます。Kapselは指定した入金ステータスを見て、入金済み・完了の行には送信そのものを行いません。入金を確認してステータスを「入金済み」に変えれば、その相手は自動的に対象から外れます。文面に「行き違いの際はご容赦ください」と添える配慮に加え、システム側でも送信を止める二重の防止になります(この前提として、入金確認時にステータスを更新する運用を徹底しておくことが大切です)。
料金の目安(Free ¥0 / Standard ¥1,980 / Pro ¥4,980)
Kapselの料金は税込で、無料プランは0円のまま使い続けられます。
| プラン | 月額(税込) | 主な内容 |
|---|---|---|
| Free | ¥0 | 0円のまま使い続けられる無料プラン |
| Standard | ¥1,980 | 基本のリマインド・督促機能一式 |
| Pro | ¥4,980 | 複数のNotionワークスペース・差出人ブランディング(会社名・署名・ロゴ) |
💡 ポイント:まずはFree(¥0)でNotionワークスペースを接続し、作った請求書DBで実際の督促フローを試したうえで、複数のNotionワークスペースや差出人ブランディングが必要になった段階でProを検討する、という進め方ができます。
Kapselを無料で試す。 Notionの請求書DBの期日・ステータスをKapselが見て、Notionを持たない社外の取引先にも自動でメールリマインド。完了・入金済みには送りません。返信ボタンひとつでNotionが更新。無料プラン0円・クレジットカード不要。→ Kapselを始める
よくある質問(FAQ)
Notionで請求書は作れる?
作れます。請求書番号・取引先・金額・消費税・支払期限・入金ステータスなどのプロパティを持つデータベースを作れば、請求内容と入金状況を一覧で管理できます。ただしNotionは管理の台帳としては優秀ですが、罫線の入った所定様式の帳票づくりは単体だと弱いため、整った体裁が必要な場合はページのPDFエクスポートや別ツールで補います。
Notionで請求書テンプレートは無料で使える?
Notion自体のデータベース・テンプレート機能は無料プランの範囲でも使えます。ゼロから設計するのが手間なら、列がそろった請求・入金管理テンプレを複製する方法もあります。
請求書番号を自動採番するには?
NotionのユニークIDプロパティを使うと、行ごとに一意の連番(任意の接頭辞つき)を自動で振れます。より柔軟にしたい場合は、発行日や連番をフォーミュラで組み合わせて表示する方法もありますが、複雑にしすぎると管理しづらくなるため、まずはユニークIDから始めるのが簡単です。
適格請求書(インボイス)の要件はNotionで満たせる?
登録番号・税率ごとの区分・税率ごとの税額といった記載事項を、プロパティとして持たせておくことは可能です。ただし、どの項目が必要か・どう区分するかは事業により異なり、本記事は一般的な整理であって税務助言ではありません。実際の要件は国税庁の案内や税理士など専門家の情報で確認してください。
作った請求書の入金催促を自動化するには?
支払期限・入金ステータス・宛先メールのプロパティを持つ請求書DBを用意し、Kapselのような外部連携ツールで監視します。Kapselは支払期限を過ぎて未入金の行だけを拾い、宛先メール宛てに自動で督促を送り、入金済みには送りません。手順は請求書の入金リマインドを自動化する方法を参照してください。
Notionの請求書をPDFで出せる?
Notionのページは「PDFでエクスポート」できますが、これはページの見た目をそのまま書き出すもので、会計ソフトのような定型フォーマットの帳票にはなりません。レイアウトの自由度も限定的なため、所定様式が必要な取引先向けには別ツールで体裁を整えるのが現実的です。
Notionを使わない取引先に請求のリマインドを送るには?
取引先のメールアドレスをNotionのプロパティに持たせ、それを読み取ってメールを送る仕組みを使います。Kapselはメールで届けるため、受信者はNotionアカウントもログインも不要です。詳しくはNotionを使わない取引先にリマインドを送る方法を参照してください。
税込金額はフォーミュラで自動計算できる?
できます。単一税率なら小計に対して 小計 * 1.1 のようなフォーミュラで税込額を求められます。複数税率が混在する場合は税率ごとに分けて計算する必要があるため、自分の税区分に合わせて式を組んでください。
補足・注記
- 公開日:2026-09-30
- 参照した一次情報・出典:Notionのデータベース・プロパティ・テンプレート・PDFエクスポートに関する記述は Notion 公式ヘルプセンター(notion.so/help)の一般的な仕様に基づきます。適格請求書(インボイス制度)の記載事項に関する記述は、国税庁が公開する一般的な情報に基づく整理です。導入・運用の検討時は各公式情報で最新の仕様をご確認ください。
- 税務・法務について:本記事の適格請求書の記載事項・消費税の扱いに関する記述は一般的な整理であり、税務・法務上の助言ではありません。要件は制度改正や個別事情で変わるため、実際の対応は国税庁の案内や税理士など専門家にご確認ください。
- Kapselの機能・料金について:本文中のKapselの機能・料金(税込)は執筆時点で実装済みのものです。最新の情報は getkapsel.com をご確認ください。


